8月の上旬から床屋に行っていなかったのでずいぶん伸びてしまいました。しかし、なんやかんやと時間が無く東京で床屋にいけない状況で困っていたので、無い頭を絞ってアリバイ工作のような仕掛けで床屋に行ってきました。朝早くは家の近くの床屋は開いていないので、より朝早くに自宅を出て、兵庫医大の集合時間の1時間半前に到着して、兵庫医大のある武庫川の商店街の床屋に行ってきました。
ヘアサロンひぐちというのですが、名人でしたね。16歳のとき新潟の村上から関西に出てきて40年以上床屋一筋だそうです。最初は、髪に櫛を入れながら一渡り見て考えていたのでしょうか、どれくらいときかれて、「この前は、8月の上旬にきりました。」これで終わり。植木屋も名人ともなると考えているのが長く、切り出したら早いといいますが、樋口さんもいざ苅り出したら、口では世間話をしながらも、はさみはてきぱき速い。それも、素人のように5ミリずつ苅るのではなく、ばっさり2センチくらいいっぺんに切ってもそれがぴたりと決まっています。髭剃りも何十年と使っているような小刀で一発でそっていきました。久しぶりの名人芸です。写真に写っている人は、名人の弟子みたいな人で名人ではありません。
むかし渥美清の主演の映画かドラマで床屋の名人を目指すのがありました。印象に残っているシーンは、ある日お客が入ってくるなり、目の色が変わり、「お客さん、この前どこで髪を切りましたか?博多でしょう?」「そういえば博多で床屋に行きました。」「そうでしょう、この技は博多の治五郎しかできない。治五郎の次に苅るとなりゃ、下手なことはできないぞ」というシーンでした。名人は髪の毛が伸びても前の床屋の腕がわかるのでしょうか?
自分が経験した名人、その一は新潟大学付属病院前のおばさん。髪を切るのはゆっくり丁寧。一番感激したのは髪を洗うとき、頭皮もさることながら一本一本いつくしむように洗ってくれて気持ちよかった。その二は、30年目の下宿の近所のおじさん、天然パーマの髪質だからということで、かみそりだけで髪を切ってくれました。じょりじょりとほんとうに巧かったです。


左:武庫川商店街のヘアサロンヒグチ
右:同じ商店街の「エイセイ薬局」 漢方ですというのがいいですね。電話番号も古い時代のものです。
今は局番は4桁です。空飛ぶ象さんが浴衣を着ているのもいいですね。